算数好きな、数に強い、数の感覚の良いお子さんに育てるにはどうしたらよいのでしょうか。今日は生後6か月から2歳になるころのお子さんへの育児のヒントをお話しします。
生後6か月くらい
半年を過ぎたら、お座りができそうになってくると思います。
その頃にはさらに数を数えていきましょう。朝起きたら時計の数字を数えたり、歯ブラシが何本とか、朝ごはんのプチトマト、お箸、マグカップの数など口に出していきましょう。いわゆる数詞をよく使うことです。
日中も本が5冊あったらそこを通るたびに、12345と数えます。ウォールポケットがあったら、いつもそこを見て1234と指を指して数えます。お外に出て車がたくさんあったらはじから123456…と数えてリズミカルに歩きましょう。
お座りができたら手や足を使おう
お座りができるころには、体勢が安定するので、手も足もお子さんが自由に見れるようになります。そうしたらママの手やお子さんの手や足をを見せて何度も1.2.3.4.5と数えてください。両手を使って1~10も続けて数えて、言いながら指を触ってあげましょう。後々、5や10のまとまりはすごく大切なので指を数えるのはとてもいいことなのです。
数の役割
数の役割には量を表す、数の順番を示すなどがありますね。でもまずは数の順番が大切です。数が多い少ない、いわゆるたくさんとかちょっととかという概念はまだ難しいのです。
生後10か月ごろ
生後10か月位でしょうか、(個人差がとてもあるのですが)親の言うことをある程度まねできるようになったら) ゆっくりイーチ、二ーイ、サーン、シーイ…と数えてください。
まねが少しでもできたら、「できたねー!」と嬉しい表情をしてあげましょう。
数字は歌で覚えるのが早い
数字のうたは日本ではあまりいい歌がないように思います。
というのがありますが、数字の形を覚えさせるのにはまあいいかもしれませんが、ちょっとピンときません。それでこういうのはどうでしょうか。こぎつねんこんこん山の中~♫という童謡の替え歌で
これは20まで数えますが、これでなくても歌いやすい歌で替え歌をつくるといいと思います。
インディアンの歌で数えるのもいいのですが、口が回らないと難しいので1歳半位からトライしてください。
数えたら最後の数を言うこと
次に心がけることは数えたら最後の数をもう一度言うことです。例えば積み木が5個あったら、「1,2,3,4,5 、5個!」という具合です。最後の数が大切だということを示してあげましょう。もしお子さんがイラストのリンゴをこう数えたら「1,2,3,4」、親は「4個あったね」と補足してあげると良いのです。こどもは順番どおりに数えても、最後があると思わないことも多いのです。最後でちゃんと止まっても、最後の数がそのものの数量だとも思わないのです。特に最後の数がそのものの量を示すよ、という説明は要らないと思いますが、最後の数に注目するように言い添えてあげてくださいね。
個人差は果てしなく続く
お子さんが数をちっともまねをしなくても、興味がないように見えても、そんなことはありません。親が語りかけたり数えるのをちゃんと聞いています。その時がきたらどんどん数字が出てきますので、あきらめないで数えていきましょう。いわゆる個人差もあります。同じ月齢のお子さんでも違いはけっこうあります。このような個人差というものと、親は末永く付き合っていくことになります。ですから初めから個人差はあって当たり前と思い一喜一憂しないでくださいね。他のお子さんとの比較でなくむしろ自分の子どもの1か月前等との比較をしながら楽しく育児に向き合ってください。
数える時のコツなど
いくつまで数えたらよい
お風呂に入ったときに、階段を上り下りするときに、カレンダーを見るときに、お洗濯物干すときに、ピアノの鍵盤も…いくらでもありますよね。いつでも数えていきましょう。123も難しいのに20や30まで数えても意味があるのか、というご意見も聞きますが、私はいいと思います。お子さんに声を聞かせるだけで、まねや数の理解を求めなければ何も問題はありません。親の声を通して数の順番や繰り返しが自然に身に付きますので、カレンダーで30などもいいですし、100でもいいのですが、親も疲れますので無理しないでくださいね。
異質なものも数えよう、なかまという意識で
同じ形のものは認識しやすいですね、いちごやイラストのお花など。でも例えば洗濯ものなどは形がかなり違います。それでも洗濯物と言う仲間ということで数えてみましょう。なかまという概念も少しづつ覚えていくのです。お買い物してきた食品の仲間とか、動物の仲間とかでもいいですね。
見る力も育てよう
視線を動かそう
親が何かを数えていると何だろう?と思ってお子さんがそこを見て、視線を動かすこと自体がとても大事です。
視線を動かすことが難しい例を紹介します。
小学生になっても探し物を見つけるのはお子さんにとってとても難しいことです。うまく探せなくてママが出てきて「ほらここにあるでしょう」と、探してあげることがよくあります。探せるかどうかは主にお子さんの視線がうまく動くかどうかの問題です。少し広い範囲を見させて視線を動かす練習をさせましょう。視線を動かしながらそこに物があったら動きを止めて注目して、ピントを合わせるという訓練が必要なんです。ですから洗濯物を干しているときや、少し遠くにある木なども端から端まで数えてみましょう。
そしてお子さんがそれを目で追うかどうか確かめてみてください。最初はあまり動かないと思いますが、積み重ねが大事です。繰り返していくと1か月ごとに成長が分かります。最近この視線の動きが鈍い幼児の方が増えてるように思います。小さい時から親が心がけてあげると良い点です。
絵本の読み聞かせは視線の訓練
お子さんの視線が動くかどうかは絵本でも試すことができます。絵本を楽しく読んであげながらお子さんの視線がどこを見てるのかチェックしてみてください。0~1歳の子どもは絵本の端っこやさりげない模様の繰り返しのようなところが大好きです。
肝心の絵本のストーリーに関係する絵を見てなくても大丈夫です。むしろ始めは関係のないところがお気に入りだったりするものです。大きくなるにつれてだんだん見るところが変わってきますし、視線の動きも活発になります。
今どこを見ているのかを観察してみましょう。一生懸命に見ているときは、興味のある物、好きなものだと思います。こんな時は脳が活発に動いています。ですからそんな時は声をかけずにしばらく集中させてあげてくださいね。
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